高校生の潜在的ニーズを顕在化させる学校図書館での交流相談:普通科課題集中校における実践的フィールドワーク
共著:鈴木晶子 松田ユリ子
掲載誌情報: 生涯学習基盤経営研究. 38号, 2014.3, pp. 1-17
本研究は、貧困世帯の子どもたちが集中的に進学する公立普通科課題集中校の学校図書館における交流相談の取組みの実践的フィールドワークである。交流相談 とは、学外から包括支援が可能な相談員が学校に出向き、生徒たちの潜在的ニーズや課題を発見し、社会的な自立を支援する新たな支援手法である。分析の結 果、交流相談は相談機能だけではなく課題発見機能を有していること、学内での相談支援活動は交流相談での課題発見と相談を経て、必要に応じて個別相談につ ながり、さらに地域資源へとつながっていること、学校図書館がもともと交流の機能を備えていることで、交流相談の場としても有効に機能することがわかっ た。さらに、セカンドプレイスとサードプレイスの間にある「2.5thプレイス」たる交流相談を起点として、貧困世帯生徒を地域につないでいく有効な支援 のあり方として「貧困世帯生徒への+2.5thプレイスモデル」を提示した。